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『走ろうぜ、マージ』、読みました。

随分と時間をかけて、『走ろうぜ、マージ』を読み終えました。

走ろうぜ、マージ

決して内容が難解だったわけではありません。

あまりに身近で現実的な内容を読み進めるのには心の準備が必要で、
時に数日、時に一週間と間をとりながら、ようやく読破したのでした。

*  *  *

これは作家の馳星周さんと愛犬・マージとの最期の数ヶ月間を綴った記録であり、
人間と犬という姿の違いを超えた強い絆の話でもあります。

*  *  *

バーニーズ特有の癌に冒され、日に日に弱っていく11歳のマージに
より良い環境で最期の時を過ごさせてあげようと、
馳さん夫婦、マージと弟分のワルテルの2人+2頭の軽井沢生活がスタート。

深緑のなか、都会とは違う穏やかな生活環境のなかで、
マージはみるみるうちに見違えるほど元気を取り戻していきます。

 夜の散歩に出ると、ワルテルが追いかけっこしたいとせがむので、わたしは走った。
 ワルテルがあっという間にわたしを追い越していく。なのに、激しい息づかいがすぐ後ろで聞こえた。
 怪訝に思って振り返ると、マージが一生懸命走っていた。思わず立ちどまり、呟いた。
 「マージ、走れるのか?」
 マージは舌をだらりと垂らして喘ぎながら尻尾を振っている。
 「マージ、走ったのか……」
 わたしはマージを抱きしめた。
 マージが走る姿は、過去6ヶ月間、まったく目にしたことがなかったのだ。
 辛そうに苦しそうに歩く姿しか目にしたことがなかったのだ。
 彼女の衰えた筋肉はもう走ることに耐えられない――そう思いこんでいた。


「マージが尻尾を振った!」「マージが走った!」「腫瘍が小さくなった!」
1つ1つの小さな変化は馳さんの喜びそのものとなり、
心に封印してきた「もしかしたら・・・」という希望すら沸いてきます。

しかし・・・病魔はそんな淡い希望を叶えることなく、
マージは徐々に体力を奪われはじめます。

心は元気、気力もある。なのに、立ち上がることができない。

ついに寝たきりとなったマージに
馳さんは最期まで全力をかけて向き合いました。

マージ

*  *  *

迷い悩みながら手探りで始まる介護生活。

愛犬の小さな回復に心躍る気持ち、抱いてしまう生への期待、
死への覚悟、揺らぐ気持ち、不安、迷い、怯え。

 わたしがありとあらゆる手を使ってマージの治療をしていなければ、
 もっと前にマージは逝っていたかもしれない。
 逆に、わたしがマージの生にこだわりすぎているから、
 今、こうしてマージは苦しんでいるのかもしれない。
 なにが正しいのかはわからない。ただ、わたしはマージのそばにいてやるだけだ。


そして、どのように最期を迎えさせるかの決断。

体の一部をえぐり取られるような心の痛みを
馳さんは本作の中で、ありのままに綴っています。

馳さんの愛はマージにしっかり伝わっているはず。
大好きな馳さんの腕の中、静かに天へ昇っていったマージはきっと、
穏やかに微笑んでいたことでしょう。

*  *  *

犬を家族に迎えるということ。
それは新たな命を授かることと同じく愛おしい出会いです。

maruko

共に遊び、共に学び、共に感じる中で、互いを理解し、尊重し合う相棒となる。
共に過ごす月日はかけがえのない宝物として、私たちの人生に深く刻まれていきます。

その最期、命尽きる瞬間まで共に歩むことの素晴らしさを
改めて考えさせてくれる本でした。

maruko

今犬と暮らす人にも、
これから犬を家族に迎えようとしている人にも
ぜひ読んでほしい一冊です。



『走ろうぜ、マージ』はマージの闘病生活中に馳さん公式HPで更新されていた
「軽井沢日記」が原作となっています。当時の写真も沢山掲載されています。

現在の馳さん、マージを共に見送った愛犬ワルテルと新たに迎えたソーラとの
軽井沢生活を堪能されています。日々の様子は『ワルテルとソーラと小説家』で更新されています。


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